[台湾台北本社発、2023年8月7日] グローバルな組込み専門チームであるVecow Co., Ltd.（以下、Vecow）は、リアルタイム同時位置推定およびマッピング（SLAM）ソフトウェアの主要な提供者であるKudan株式会社（以下、Kudan）との提携における最初の目標マイルストーンを達成し、両社のコア技術を活用した新世代のモバイルマッピング開発キットの提供を開始したことをお知らせいたします。この共同開発したモバイルマッピング開発キットは、多岐にわたる業界において正確かつ包括的な3D環境情報への収集需要に応えるものです。
SLAM技術を活用した3Dモバイルマッピングは、モバイルプラットフォーム（例：移動中の人間、車両、ロボット、ドローンなど）が現場を移動する間に自動で3Dデータを取得する能力により、近年脚光を浴びています。この革新的な技術により、スマートシティや都市計画、ICTを活用した建設、インフラの点検・保守、鉱業・採石業における備蓄管理、緊急対応や災害管理など、幅広い用途で活用することができます。
固定式レーザースキャナを使用し、静的なシーンのデータを収集時間がかかるTLS（地上型レーザースキャナー）ベースの3Dマッピング手法とは異なり、SLAM（同時位置推定とマッピング）技術をベースとした3Dモバイルマッピングは、広大なエリアにてリアルタイムマッピングが可能であるため、市場で大きな注目を集めています。しかしながら、SLAMベースの3Dモバイルマッピングは、モバイルセンサデータに固有のノイズや不確実性により、TLS手法ほどの精度を得ることが一般的には難しいです。そこで、高速マッピングの利点を維持しながら、TLSベースのアプローチの精度に近づけるためには、複数センサの融合（マルチセンサフュージョン）が可能な産業グレードのSLAMが重要になります。
マルチセンサフュージョンの領域において、時刻同期は重要な役割を果たし、すべてのセンサデータを正確に収集することが重要です。この重要なプロセスにより、センサの測定値と対応するランドマークや周辺環境における特徴との正確な関連付けが可能になり、データ処理中の誤差を最小限に抑えることができます。さらに、時刻同期は非常に重要な動作推定とループクローズ*検出の実現に大きく貢献し、SLAMベースのマッピングの精度、信頼性、および全体的な品質を著しく向上させます。
*ループクローズ：過去に訪問した地点を再訪問する際に、推定された軌跡と地図の累積誤差を検出して修正するプロセス。
この度、共同開発したモバイルマッピング開発キットは、バックパック型またはハンドヘルド型の3Dマッピングデバイスであり、Kudanの独自の3D-Lidar SLAM（KdLidar）とマルチセンサフュージョン技術に加えて、Vecowの最新第13世代インテルCore™ i9/i7/i5/i3プロセッサを搭載した振動に強く軽量なVCM-1000F産業用パソコンを使用して、厳しい環境下でも安定したパフォーマンスを発揮でき、まさに正確な時刻同期と強力なコンピューティング能力を実現しています。
VCM-1000シリーズの詳細仕様については、
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本モバイルマッピング開発キットは、GNSS（衛星測位システム）非対応地域を含む様々な環境において、効率的かつ信頼性のある3D点群（ポイントクラウド）を精密に生成する機能を備えています。これにより、森林調査、ファサード調査、インフラ整備、地下調査、産業用デジタルツイン、設備資産管理、体積計測、建設ICTなど、幅広い用途にお役立ちいただけます。
モバイルマッピング開発キットはKudanStudioソフトウェアと連携し、使いやすいインターフェースとシンプルなワークフローを提供することで、専門的なスキルを持たなくても、初心者も簡単に行えるようになっています。直感的なデザインにより、1cm単位の高精度な3D点群を迅速に生成することができます。また、データの後処理においてパラメータ設定をサポートし、生データを保存して再利用可能にしながら、特定の用途に向けて異なる密度とサイズの最適な3D点群を作成することが可能です。さらに、地図の処理機能により、複数の点群データを自動的にシームレスに統合し、効率よく広いエリアでの点群管理とデータ活用を実現しています。
モバイルマッピング開発キットの仕様：
モバイルマッピング開発キットの詳細については、
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Alex Liu (BDM of Vecow) のコメント：
今回のコラボレーションにより、ただ一つのハードウェアやソフトウェアにとどまらず、むしろ、ソフトウェアとハードウェアの完全な統合ソリューションを実現し、両社の技術や強みを引き出しています。ユーザーフレンドリーな設計によるすべてのIOを一面に集約し、配線に配慮せずシステムの構築が簡単にしたVecowの小型で高機能なエンジン
VCM-1000に時刻同期技術を加えること、とKudanの3D LiDARマッピングとセンサフュージョンのSLAMを統合することにより、屋外自律移動ロボットや車両向けのセンサデータの精度と信頼性を向上させることを目指しています。私たちは、Kudanとの更なる業務提携の可能性に期待しています。
Tian Hao (Kudan取締役COO) のコメント：
今回の提携により、お互いに最先端技術を活かした価値創造を見事に示しています。Kudan SLAMは高度なアルゴリズムと先進的なセンサフュージョンの機能を提供し、あらゆる産業で幅広いシーンに対応しています。Vecowと共に、両社の技術を組み合わせて関連業界に貢献し続けることを目指しています。
正確で信頼性のある時刻同期技術は、マッピングだけでなく、自動運転や屋外自律移動ロボットにおいても、ますます重要視されています。Vecowの時刻同期ソリューションは、Xilinx Ultrascale+ MPSoCプラットフォームをベースにし、マッピング、キャリブレーション、センサフュージョン、ローカライゼーション、ナビゲーションといった5つの課題に対応する3つの技術を提供しつつ、知覚、位置、および精度の能力向上を目指しています。
【Vecowについて】
Vecowはグローバルな組込み専門メーカーであり、お客様よりご信頼をいただけるよう最高なビジネスパートナーになることを目指している台湾企業です。高い信頼性、高度な技術、革新的なコンセプトを備えた高品質なAIoTソリューションの設計、開発、生産、供給に取り組んでいます。主な製品はAI対応推論システム、AIコンピューティングシステム、ファンレス組込みシステム、車載向けコンピューティングシステム、ロバストコンピューティングシステム、シングルボードコンピューター、マルチタッチコンピューター／ディスプレイ、画像入力ボード（フレームグラバー）、そして、マシンビジョン、自律走行車、スマートロボティクス、デジタル鉄道、パブリックセキュリティ、交通・V2X、スマートファクトリー、ディープラーニング、あらゆるエッジAIアプリケーション向けの組込み周辺機器及び設計・製造サービスなどがあります。
Vecowはさまざまな垂直市場アプリケーションに向けて産業用ハードウェアシステムとソリューションを提供するグローバルリーダーである台湾のEnnoconn Corporation（6414. TW）の子会社です。Ennoconn Corporationは台湾フォックスコン (Foxconn/ホンハイ) グループのメンバーです。
【Ｋｕｄａｎ株式会社について】
Kudanは、人工知覚（AP）のアルゴリズムを専門とするDeep Tech（ディープテック）の研究開発企業です。人工知覚（AP）は、人工知能（AI）と相互補完する技術として、機械を自律的に機能する方向に進化させるものです。現在、Kudanは高度な技術イノベーションによって幅広い産業にインパクトを与えるDeep Techに特化した独自のマイルストーンモデルに基づいた事業展開を推進しています。
詳細な情報は、Kudanのウェブサイト（https://www.kudan.io/jp/）をご参照ください。
■会社概要
会 社 名： Ｋｕｄａｎ株式会社
証券コード： 4425（東証グロース）
代 表 者： 代表取締役CEO 項 大雨